靴職人と整体師

2016.09.30 Friday

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    Manoの本棚には、主にイタリアにちなんだ本を幾つか置いています。

    その中に、若い靴職人の話を描いた『IPPO』というマンガがあります。

    あまり有名ではないので、ご存知ない方も多いと思います。とても素朴で味のあるマンガなので、好みも別れるでしょう。

     

    私は、仕事柄どうも、お店や職人の話に惹かれてしまうようです。

     

    この話の中で、高名な靴職人である祖父が、若い職人である主人公にこう語ります。

     

    『手だけで仕事をするものは労働者である。

      手と頭で仕事をするものは職人である。

      手と頭・・・そして、心で仕事をするものは・・・           芸術家である。

      イタリアの聖人の言葉です。

      芸術家かはともかく、創造性を失ってはいけない。』

     

    この言葉は、私の仕事における信念となっています。

    ある程度経験を積めば、手だけを動かして、それなりの仕事はできます。ですが、それでは誰にでもできる仕事にしかなりません。

    頭を使うことによって、自分だけの工夫が生まれます。でも、手と頭だけでも充分ではない。

    最後に心が加わる事によって、相手の為だけの、自分だけの、特別な仕事が出来るのだと思います。

     

     

    また別のシーン。祖父の技術に『魔法みたいだ!』と感嘆する少年時代の主人公に

     

    『これは魔法じゃありません。技術と呼ばれるものです。けれど職人の技術と、創造力と、靴への愛情。

    それがはく人の人生と重なる時、そこに魔法はあるのかもしれません。』

     

     

    私自身、まだまだ試行錯誤の日々で、魔法なんておこがましい。でも、私の仕事で少しでも喜んで頂くために、その方の毎日が、少しでも楽しく明るいものになるために、手と頭と心。技術と創造力と愛情。

    胸に刻んで、毎日を過ごしていきたいと思います。